
婦人科

女性の様々なライフステージにおいて起こりうる身体の変化やお困りごとに寄り添い、快適に過ごせるよう最適な診療を提供いたします。思春期から更年期、そしてその先まで、幅広い症状に対応し女性の健康をサポートいたします。
診療内容
不育症の診療・不育症の心配
流産を反復した場合など、状況に応じた検査・治療を行ない、妊娠の際は安心できる時期まで慎重かつ丁寧な診察を行ないます。
- 血液検査、染色体検査、超音波検査などによる流産原因の精査
- 慎重な経過観察
検査や治療などの詳細は「不育症について」のページを参照ください。
また、だいぶ前になりますが札幌市医師会主催の家庭医学講座で不育症をテーマに講演した際の資料をPDFとして下記に添付致しました。長い資料となりますが、参考として頂ければ幸いです。
不妊症の診療・不妊症の心配
一般不妊スクリーニング検査、必要に応じた排卵誘発やタイミング指導、人工授精までを行ないます(それ以上の治療が必要と判断した場合には不妊専門クリニックに紹介いたします)。妊娠を目指すにあたり、「妊娠できるか不安」という方も気楽に受診頂ければと思います。
〈主な検査〉
ホルモン検査(内分泌検査)
血液中のホルモン値を測定し、排卵や妊娠継続に必要なホルモンが適切に分泌されているかを調べます。これにより、排卵障害や黄体機能不全などの有無を確認します。
超音波検査
子宮や卵巣の状態を観察します。これにより、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣腫瘍などの有無を確認し、排卵の状況も評価します。
性交後検査(フーナーテスト)
排卵期に性交後24時間以内に来院いただき、腟内に精子が存在するか、また精子の運動性があるかを確認する検査です。これにより、精子と頸管粘液の相性や精子の質を評価します。
精液検査
精液を持参いただき、精子の状態(濃度・運動率など)を評価します。
子宮卵管造影
子宮の入り口からカテーテルを挿入し、造影剤を注入しながら子宮内腔や卵管の形状、通過性を確認する検査です。これにより、卵管の詰まりや子宮の形態異常がないかを調べます。
※当院にはレントゲン設備がないため、子宮卵管造影は札幌マタニティ・ウィメンズホスピタルに依頼しております。
月経異常・月経のお悩み
これまでの経験、最新の知見にもとづき、それぞれの方に合った治療を提案いたします。なお、内診などに抵抗を持たれる方も多いと思いますが受診=診察・内診ではありません。まずは気楽に症状の相談に来て頂ければと思います。
〈主な症状〉
月経痛(生理痛)
お腹の痛み、腰のだるさ、吐き気
月経不順
周期が乱れる、月経が来ない
過多月経
経血量が多い、出血が長引く
不正出血
月経ではない出血が続く、性交後の出血
月経前症候群(PMS)
頭痛、胸の張り、イライラ、むくみ
月経前不快気分障害(PMDD)
憂うつ、不安感、集中力の低下
なお、当院では「ルナルナメディコ」に対応しております。基礎体温データを診察室のパソコンでチェック、月経周期に応じた体調管理のアドバイスが可能となります。
帯下(おりもの)の異常、お悩み
帯下(おりもの)は、女性の体の健康状態を知る重要なサインです。しかし、量が増えたり色やにおいが普段と違うと感じたり、かゆみや痛みを伴う場合は注意が必要です。このような症状の原因として、カンジダ腟炎や細菌性腟症があります。状況に応じ、即時検査・治療を行ないます。
〈主な症状〉
量が多い、匂いが強い、色の変化(黄緑色、白いヨーグルト状など)、外陰部のかゆみ、性交時の痛み
「少し気になるけど、受診するほどではないかも…」と思う場合でも、早めに相談いただくことをおすすめします。おりものの異常は放置すると症状が悪化し、不妊症やその他の健康問題に繋がる可能性もあります。
性感染症
クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペス、トリコモナス感染症など、性感染症(STI)は決して稀な病気ではありません。症状がない場合でも感染が広がることがあるため、心配な場合や症状が疑われる場合は、早めの受診をお勧めします。
〈主な症状〉
異常なおりもの(黄緑色、白色など)、外陰部や腟内のかゆみ・痛み、排尿時の痛み、性交痛、外陰部の潰瘍や水疱(性器ヘルペスなど)
性感染症の検査では、血液検査、尿検査、分泌物の検査を行います。もし検査が陽性の場合、適切な治療を行なうだけでなく、パートナーの治療も含めて対応することが重要です。症状がない場合でも、感染が進行すると不妊症や骨盤内感染症のリスクが高まるため、早期の対応が必要です。
避妊相談
当院では、患者様のライフスタイルや健康状態に合わせたさまざまな避妊方法をご提案しています。避妊に関する不安やお悩みがある方は、ぜひご相談ください。
〈主な避妊方法〉
低用量ピル
ホルモンバランスを整えながら、高い避妊効果が期待できる方法です。生理痛や月経過多の改善効果もあります。
子宮内避妊リング(ミレーナ®=子宮内黄体ホルモン放出システム)
高い避妊効果のほか、月経痛・過多月経の改善も期待できます。
緊急避妊(アフターピル)
レボノルゲストレル錠®などの緊急避妊薬を使用します。性行為後72時間以内に服用することで避妊効果が得られるため、早めの対応が重要です。
ブライダルチェック
将来妊娠を考えている方が、自分の健康状態や妊娠に関するリスクを事前に確認するための検査です。主に女性特有の健康状態や子宮・卵巣の問題、ホルモンバランス、性感染症などをチェックし、安心して結婚生活やいわゆる妊活を送るためのサポートを行ないます。もし、風疹・麻疹等の抗体がない場合、ワクチン接種も可能です。
更年期障害
更年期障害は、40歳を過ぎた頃から多くの女性が経験する心身の不調です。症状には個人差があり、軽度なものから日常生活に支障をきたすものまでさまざまです。当院では患者さまの悩みや症状に寄り添い、ひとりひとりに合わせた治療を提供します。症状や検査結果に応じて治療法を組み合わせて行なうことも可能です。
〈主な症状〉
ほてり、急な発汗、手足の冷え、倦怠感や疲労感、イライラ、情緒不安定、不眠や睡眠の質の低下、肩こりや手関節などの痛み
〈主な治療方法〉
ホルモン療法
不足しているエストロゲンを補充することで、症状の緩和を目指します。
漢方療法
種々の漢方薬から症状に適した製剤を選択し、体質や症状に合わせた治療を行ないます。
プラセンタ製剤
メルスモン®・ラエンネック®を用いたプラセンタ療法により、自律神経の調整、疲労回復をサポートします。
ビタミン注射・点滴
疲労感や倦怠感を改善し、元気を取り戻す手助けをします。
その他の薬物療法
症状に合わせて適切な治療法を検討いたします。
自費ピル処方
当院では、避妊や月経に関する悩みを改善するために、低用量ピルおよび緊急避妊法(アフターピル)の処方を行なっています。それぞれの特徴や使用方法をご説明し、患者さまの状況や希望に応じた処方をいたします。
低用量ピル(OC: Oral Contraceptives)
低用量ピルとして以下の製剤をご用意しています。それぞれ成分や配合バランス(一相性か三相性)に違いがあり、相性や希望に応じて処方することが可能です。
〈種類について〉
- ファボワール®
- ラベルフィーユ®
- シンフェーズ®
〈価格について〉
1シート 2,500円(税込)※初回処方時は指導料が別途必要
3シート以上の処方
1シートあたり2,400円(税込)※1回最大6シートまで処方可能
低用量ピルを安全にご使用いただくために、以下の定期的な検査をおすすめしております。
- 6ヶ月に1回、問診および血圧測定
- 年に1回、超音波検査、子宮がん検診、帯下検査など
緊急避妊法(アフターピル)について
当院では緊急避妊薬としてレボノルゲストレル錠®を用意しております。避妊に失敗した時点から72時間以内にレボノルゲストレル錠®を1錠内服することで、高い避妊効果が得られます(効果は100%ではなく、性行為からの時間経過とともに低下します)。作用機序としてはおもに排卵の抑制があります。そのほかにも、受精阻害作用及び受精卵着床阻害作用も関与していると考えられています。
〈価格について〉
10,000円(税込)※初診料を含む
その後の避妊法(低用量ピルなど)についての相談も承ります。
人工妊娠中絶
当院では、「基本的に成人=18歳以上を対象」に法律に基づき人工妊娠中絶手術を行なっています。手術は妊娠12週未満まで可能ですが、母体保護法に基づき、手術を受けるには特定の要件を満たす必要があります。手術に際しては、患者さまのお気持ちを尊重し、丁寧なカウンセリングを実施した上で、できるだけ身体的・精神的な負担が少ない方法で行います。詳しい内容や費用、流れについては、医師との相談の際にご説明いたします。ご不明点や不安がある方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。